レーザー装置
フェムト秒Ybファイバー発振器
~30フェムト秒のパルス幅を持つ100 MHz繰り返しのパルス列を発生させます。ファイバーレーザーで30fsパルスを発生できます。2012年6月現在、ちょっと数えてみたところ14台の自作フェムト秒ファイバー発振器がありました。2014年4月の時点では17台に増えていました。さらに2台作成中です。
Ybファイバー増幅器
大小様々な増幅器を研究開発しています。大きいものは~200 Wのレーザーダイオードでダブルクラッドファイバーを励起して60 W程度の出力を得ます。透過型回折格子で増幅されたパルスは高効率に圧縮されます。 80MHzシステムのほかに、10MHzシステムも完成しました。これからは2つの大型YbファイバーCPAシステムを用いて高繰り返し高強度物理の実験が進められます。2012.6現在またまた数えてみたところ、研究室に17台の自作ファイバーアンプがありました。2014年4月にはこれがなんと30台に増えていました!ちょっと増えすぎですね。
エンハンスメント共振器
増幅されたパルス列は外部共振器(エンハンスメント共振器)にどんどん蓄積されていきます。 内部では入射パワーの100倍以上に増幅され、高繰り返しを保ったまま高強度物理の実験ができます。 つまり、超精密分光と高強度物理の接点がこの装置で生み出されます。 共振器内ではkW以上のフェムト秒パルスが集光され、1013 W/cm2以上の集光強度が得られます。ここで高次高調波発生が80MHzの繰り返しで実現しています。
大型10MHzレーザーのエンハンスメント共振器を作ってしまいました。10MHzのパルス間隔は距離にして30mです。 つまり、外部共振器も共振器長が30mになるわけです。物性研究所には大型の装置を開発するスペースがあるために実現しました。 1桁大きい共振器を開発したため、パルスエネルギーも1桁大きくなります。 高次の非線形現象の確率は飛躍的に大きくなるわけです。ここから生み出されるコヒーレントVUV光源は他ではできない実験を可能にします。 高次高調波のパワーも桁違いに強くなり、2014.4現在では世界で一番強いコヒーレントVUV光源となっています。